元商工会議所職員が教える商工会議所活用術

商工会議所を積極的に活用しよう!

私は令和3年4月1日にWAVE社会保険労務士事務所を開業しましたが、

それまでは地元の商工会議所23年間勤務してきました。

皆さんは『商工会議所』という組織はご存知でしょうか?

聞いたことはあるけど、何をしているところかわからない。

長年加入しているけど、特に利用していない。

商工会議所は地元の中小企業を積極的に支援してくれる心強い存在なのですが、

実はどんな組織なのか知らない経営者の方々が結構いらっしゃるのが現実です。

そこで今回は23年間務めた元商工会議所職員としての立場から、

商工会議所の活用方法に関してお伝えさせていただきたいと思います。

商工会議所元職員として1,000社以上の企業の経営支援をしてきた私の経験からお話します。

そもそも商工会議所とは?

最初に商工会議所の定義を見てみましょう。

商工会議所は、その地区内における商工業の総合的な改善発達を図り、兼ねて社会一般の福祉の増進に資することを目的とする。

(商工会議所法第6条)

これを簡単に言いますと、

『商工会議所は、地元企業の支援を行うことで、地域経済を活性化していくことを目的とした組織

ということです。

だからこそ、地元の中小企業との繋がりが強い組織と言えます。

中小企業の経営者の皆様は、日々経営に悩まれていると思いますが、

まずその地域の商工会議所に相談してみましょう。

きっと心強い味方としてサポートしてくれると思います。

なぜなら、その地域の中小企業の発展は、地域経済の発展に繋がるからです。

だから遠慮せず、どんどん商工会議所に相談に行きましょう!

またよく勘違いされていますが、国や自治体に作られた機関ではありません。

商工会議所は会員制の組織です。

会員に対して、これから以下に紹介するような幅広いサービスを提供しています。

ただし、非会員であっても、無料経営相談のような一部のサービスは受けられる場合があります。

とりあえず地元の商工会議所に問い合わせてみることをお勧めします。

実際に行ってみて話を聞いてから、会員になるかどうかを判断するのもありです。

商工会議所はどんなことをしてくれるの?

では商工会議所は具体的にどのような経営支援を行ってくれるのでしょうか。

ここでは私の経験上、実際に利用されることが多かった、7つの支援を挙げさせていただきます。

①創業支援

会社員や主婦であるが将来的に自身で事業を始めたい方などは、

闇雲に開業するのではなく、まずは商工会議所に相談することをお勧めします。

税務や労務など開業時に必要な手続き、許認可、開業資金や収支計画など事業を始める上で、

難しいけど避けては通れないことを丁寧に教えてくれます。

創業計画書を作成することになりますが、

金融機関に提出することで創業資金を借りることができます。

商工会議所は金融機関との繋がりも深いので、間を取り持ってくれる場合もあります。

②マル経融資

事業を継続していく上で、運転資金や設備資金など資金繰りの問題もでてきます。

そうした場合に民間の金融機関でも借入をすることができますが、

商工会議所の継続した会員事業者であると

日本政策金融公庫のマル経融資制度(無担保・無保証)を利用することができます。

この制度は商工会議所の会員事業者限定であり、内部のマル経審査会で審査が通れば借りやすくなります。

資金繰りの悩みを解決するための選択肢ひとつに入れておくと良いかなと思います。

③小規模事業者持続化補助金

経済産業省から出されている販路開拓などに使える小規模事業者持続化補助金ですが、

この補助金は今特に商工会議所が力を入れている補助金です。

補助金は申請すれば誰でも貰えるものではなく、

経営計画・事業計画書を作成し申請して専門家による審査を経て、良い計画であれば採択される流れになります。

採択率も全国的に30~50%で、半分以上が不採択なるなど、かなり難易度の高いものにあっています。

このような難易度が高い補助金ですが、商工会議所の職員が計画書作成について詳しいアドバイスをしてくれます。

私の経験から職員にしっかり支援してもらうと、より良い計画書ができるので採択率が上がります。

④専門家派遣事業

IT活用や法人成り、税務・労務管理など経営者は事業を行っていく上で、様々な悩みなどがでてくると思います。

そうした時に相談相手として商工会議所の職員にすることもできますが、

専門的な相談の場合には、回数は制限されますが無料で、

税理士や中小企業診断士、社会保険労務士などの専門家のアドバイスを受けることができます。

個人的に専門家に依頼をすると有料ですが無料で支援を受けられる点でかなりのメリットがあります。

⑤異業種交流

商工会議所には青年部や女性会などがあり、多種多様な業種の集まりがあり、

毎月経営の勉強会や交流会などが開催されます。

その組織に所属することにより、他業種の経営者と繋がりを持つことができ、商売にも活かすことができます。

また異業種交流だけでもなく、商工会議所には同業種の部会もあり、同じ業種の経営者とも関係を築くことができます。

⑥雇用促進事業

高校生や大学生など新規採用を考えている企業は、商工会議所が中心になって、

合同会社説明会や地元の高校の進路指導先生、大学の就職担当との懇談会を開催するので、

より良い採用が可能になります。しかも、参加料は比較的安めです。

⑦情報提供

商工会議所には、国、都道府県、市町村、日本商工会議所、各支援機関などから、

経営に必要な支援制度の情報が集まってきます。

特に最近の新型コロナウイルスに関する支援施策については早いです。

こまめに商工会議所のホームページ等を確認し、

情報収集を怠らないようにしましょう。

このような情報は知ってるか知っていないかで、雲泥の差です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

多くの商工会議所の年会費は個人事業主で数千円、法人1万円程度だと思います。

商工会議所の会員になれば、上記のように使える制度が多いので商工会議所に加入した方が良いと私は思います。

実際私も地元の商工会議所に加入しています。補助金や助成金の情報収集等でいつもお世話になっています。

是非とも商工会議所をうまく活用してください!

公開日:2021年5月28日

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